みなさんこんにちは この記事では
持ち家と賃貸どっちが良いの?の比較では出てこなかった、中古住宅について考えてみます。
さて、みなさんの中古住宅に対するイメージはどのようなものでしょうか?
ポジティブ
- 安い
- 実際に住宅を見てから買うことができる
- 自由にリノベーションできる
ネガティブ
- 誰かが住んでいた家は嫌だ
- 修繕費がかかりそう
- せっかくなら自分が好きな間取りで新築したい
おおよそ、このような意見をお持ちだと思います。
ここで、コストの面で、ポジティブ>ネガティブとなる中古住宅の条件を考えていきます。
Ⅰいくらで買えばその中古住宅は安いの?
まず、前提条件として、
前提条件
・検討している中古住宅の間取りは理想的である。
・建物の坪数は30坪とする。
・建物の稼働年数は40年とする。
・建物は10年に一度修繕費として、建物坪数x6万円の修繕費が発生するとする。
・建物は解体時に建物坪数x7万円の解体費が発生するとする。
とします。
中古住宅の居住価値って?
この時、新築、築10年、築20年、築30年の物件のそれぞれの稼働年数および必要な費用(建物の修繕費、固定資産税、火災保険)は、
築年毎の稼働年数と必要な経費の総額
新築:稼働40年 修繕540万円+解体210万円+税保300万円 計1,050万円 10年の賃貸価値 12万円x12月x10年=1,440万円
築10年:稼働30年 修繕360万円+解体210万円+税保225万円 計695万円 10年の賃貸価値 10万円x12月x10年=1,200万円
築20年:稼働20年 修繕180万円+解体210万円+税保150万円 計540万円 10年の賃貸価値 8万円x12月x10年=960万円
築30年:稼働10年 修繕0円+解体210万円+税保75万円 計285万円 10年の賃貸価値 6万円x12月x10年=720万円
となりますので、各築年における建物の価値を同等の賃貸物件に住む費用を根拠として居住価値を算出すると
築年毎の居住価値
新築:40年家賃 4,320万円ー経費1,050万円=3,270万円
築10年:30年家賃 2,880万円-経費695万円=2,185万円
築20年:20年家賃 1,680万円ー経費540万円=1,140万円
築30年:10年家賃 720万円ー経費285万円=435万円
となります。したがって、建物の居住価値は築10年でおよそ2/3、築20年でおよそ1/3に減っていることがわかります。
また、土地の価値は50坪1,000万円のまま永久に変動しないとすると、建物と土地の価値はそれぞれ、
築年毎の建物価値と土地の価値の割合
新築:建物3,270万円+土地1,000万円=4,270万円
築10年:建物2,185万円+土地1,000万円=3,285万円
築20年:建物1,140万円+土地1,000万円=2,140万円
築30年:建物435万円+土地1,000万円=1,435万円
となります。
中古住宅の価値を新築住宅と比較してみよう
よって、購入を検討している中古住宅の価値を新築住宅とコストの面で比較したいときは、
中古住宅の価格の妥当性を確認するフロー
①土地だけの値段を計算する。
②全体金額から土地の値段を引いて、建物の値段を計算する。
③その建物が新築だった時の値段を計算する・・・一般的な木造住宅は新築時坪60万円で計算する。
④築年数に応じて、建物の価値を再計算する・・・築10年で2/3、築20年で1/3になる。
⑤ ①の土地の値段+④の再計算した建物の価値より売値が安ければ、新築に比べて割安と言える。
の方法で建物の居住価値の観点での比較ができます。
参考までに 築20年 土地50坪 建物30坪 1,800万円で売っている気になる中古住宅の値段の妥当性を確認してみます。
①周辺の土地の売り値20万円/坪 に土地面積50坪をかけて 土地の価値1,000万円
②1,800万円ー1,000万円=800万円
③建物が有名ハウスメーカーの施工なので70万円x30坪=2,100万円
④築20年なので、2,100万円x1/3=700万円
⑤再計算した中古住宅の価値 土地1,000万円+建物700万円=1,700万円<売値1,800万円
よって、私なら、この中古住宅に対してのアクションとしては、
「売値は建物の価値より高値だが、気に入っているので、建物価値1,700万円から内装の修繕費50万円を引いた1,650万円での購入を打診してみる。」
となります。